brast楽器紹介「バリトン」
今日はbrastで使用している楽器、バリトンを紹介しますね!
皆さんは、バリトンという楽器を知っていますか。
知っている方はきっと少ないですよね。歴史のある、とても珍しい楽器なんです。
バリトンは、チェロと同じくらいの大きさの弦楽器なんですが、通常、6本か7本のガット弦と、9本から24本の共鳴弦が張られた、すごく弦の多い楽器です。
実際の演奏中には、触らない弦が多いんですけどね。
でも、その弦の響きがとても奥深くて、聞く人の中に響き渡るような、そんな印象を受ける音を醸し出します。
このバリトン、音楽の歴史の中では、ハイドンが、この楽器のための曲をたくさん残していることでも知られています。
ハイドンの支援者であった、エステルハージ侯爵がこの楽器をこよなく愛しており、その侯爵のために、ハイドンが175もの曲を作曲しました。
そのうちの126曲は、ヴィオラ・チェロ・バリトンの三重奏として作られています。
エステルハージ侯爵はきっと、その美しい音色の重なりで耳を潤していたのでしょうね。
このように、バリトンは、多くの人から愛されてきた楽器なのですが、同じく三重奏に用いられたチェロやヴィオラのように広く普及しませんでした。
そして、現在でも、演奏される方のとても少ない楽器なんです。なぜ、そうなってしまったのか。答えは、その弦の多さにあります。
素晴らしい音色を出す共鳴弦ですが、それゆえ、調律がとても難しいのです。
また、演奏自体の難易度も高く、これが災いしてしまったようです。
でも、このバリトンの音色には、他の楽器に見ない、すばらしい響きがあります。ぜひ、実際の音色を聞いていただきたいです。
耳にできる機会がらったらまた紹介します。